自己管理と家族のサポート~親ができること、子供がして欲しいこと~
受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~ |
自己管理と家族のサポート~親ができること、子供がして欲しいこと~ |
2022年を迎え、早くも1ヶ月が経とうとしています。
あっという間に受験日が目の前に迫ってきて、焦りを感じている受験生、ご家族もいるのではないでしょうか。
しかし、焦りは禁物。
視界が狭くなって心にも余裕がなくなり、家族内で必要のないピリピリムードを生み出してしまう原因にもなりかねません。
そうならないために、今回のコラムでは「受験生本人ができること」と「家族のサポート」についてお伝えします。
【自己管理】
これまでのコラムを一度振り返っておくと、
①「何をどれぐらい」食べるか(第1回)
②朝ごはんを食べて一日のスタートを活動的に始めよう(第3回)
③自分にあった体調管理法を身につけよう(第4回)
④こころを整えるための食事(第7回)
などについてお伝えしてきました。
いくつか実践してみた方はいるでしょうか?
ここで「ひとつもやれてない!」と焦る必要はありません。
『急いては事を仕損じる』です。
これから全く新しいことを取り入れたりチャレンジしたりするのは、最後の追い込みをしたい時期にはストレスになることと思います。
普段自分自身で実施していることはそのまま継続し、ご家族と連携しながら受験までを過ごすことを心がけながら、いま一度その内容を見直してみましょう。
1.1日の行動予定やスケジュールを共有する
2.食事の準備や後片付けをできる範囲でする
3.欠食せずにバランスよく何でも食べる
4.規則正しい生活リズム
5.ストレッチや散歩などで心身のリフレッシュ
ひとつずつ解説していきますね。
1.1日の行動予定やスケジュールを共有する
自宅のカレンダーや、スマートフォンでスケジュールを共有することで、いつ何があって何が必要なのかが可視化され、すれ違いによるストレスを減らすことができます。
家族と言えどもお互いに心が読めるわけではないので、きちんと伝える努力をする必要があります。
特に会話をする時間があまり取れない場合には活用したいですね。
2.食事の準備や後片付けをできる範囲でする
自分でできることは自分でする。
受験生で余裕がないからといって、それまでできていたことまで家族が代わりにやってあげる必要はありません。
例えばおかずやご飯をよそうことで、緊張や疲れによって食べたいと感じる量が変化することを自分自身で知ることができるので、補食の準備もしやすくなります。
3.欠食せずにバランスよく何でも食べる
成長期の皆さんの身体づくりにも、勉強で使う脳のエネルギー源にも、ストレス対策にも、免疫をつかさどる腸内環境を整えるにも、食事がとても大切です。
栄養素は一度にたくさん吸収できるわけではないので、最低でも3回に分けて食べるのが理想的です。
4.規則正しい生活リズム
バラバラの時間に寝たり起きたりすると自律神経が乱れて体調を崩す原因となってしまいます。
※自律神経…心身の活動を活発にする神経と休息に導く神経。これらはバランスを取りながら働く。
試験当日に最高の体調で臨めるように、普段から規則正しい生活リズムで過ごす習慣をつけておきましょう。
5.ストレッチや散歩などで心身のリフレッシュ
長時間机に向かっていると血流が悪くなり、冷えや思考力低下の原因に。
軽くからだを動かして、体調を整えるとともに学習効果も上げていきましょう。
【家族のサポート】
受験のときにだけ何か特別なことをしなければならないわけではありません。
極力普段通りつかず離れずで見守りつつ、お願いされたら手を貸す程度で十分です。先回りしてサポートしすぎないよう、もしかしたら我慢が必要な方もいらっしゃるかもしれません。
受験目前で余裕がない受験生は、普段ならありがたく感じるサポートも、その内容がドンピシャではないとストレスになってしまうものです。こうしたギャップを生まないようにするにはコミュニケーションが大切になるわけですが、直接会話するだけがコミュニケーションではありません。
【自己管理】の部分でお伝えしたように、ウェブツールを用いて共有することもできますし、ノートやメモ帳、ホワイトボードも便利です。
忘れてはならないのが、ご家族自身の体調管理。
根を詰めすぎず、穏やかに過ごせるよう適度にサボりつつご自身を労わる時間も確保できるといいですね。
次回のテーマは「ストレス対策」です。
更新は 2/21(月)を予定しています。
どうぞお楽しみに!
受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~バックナンバーリンク
☆受験前日と当日の過ごし方~食事だけでなく、総合力で実力を発揮しよう!~
☆自分にあった体調管理法を身につけよう~アスリートに学ぶコンディショニング~
☆一日の始まりは朝ごはんにあり ~朝食で体内時計をリセット~
text by後藤優子/Yuko Goto
プロフィール:スポーツ栄養士×アスレティックトレーナー。ジュニアからトップアスリートの食事サポート、調理イベント、子どもの食育セミナーなどを行う。東京を中心に活動中。アイドルとカレーが好き。
後藤優子さんのコラム⇒「食×スポーツ(人生を豊かに。マルゴトキカク。」