自信をもって次のステージへ!~体の健康は心の健康~

受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~
自信をもって次のステージへ!~体の健康は心の健康~


春はあけぼの。

枕草子で清少納言が、春は日の出前の空が明るくなる頃が一番美しいのだとこぼしていますが、もしかしたら人もそうなのかもしれません。


春を新たなステージに置き換えると、夜はその準備期間。
そしてあけぼのは期待と不安の入り混じる進学や進級。


少しでも自信をもって新年度を迎えるためには何が必要なのか、少しずつ探っていきましょう。



自信ってなんだろう???

自信とは「自分の能力や価値を確信すること。自分の正しさを信じて疑わない心」のことを言います(デジタル大辞泉より)。


例えば、テストで努力に見合った点数が取れた、スポーツでいい成績を残したなどは「自分の能力や価値を確信すること」に当てはまります。


身なりを整えることでスイッチが入る、勉強がはかどるようにお気に入りの文房具を使うなど、自分自身がその行動に価値を感じる、ここぞという時に踏ん張れる粘り強さを生み出してくれるのが「自分の正しさを信じて疑わない心(信念)」といえます。(参考サイト:GLOBIS知見録「自信には2種類ある」





こうした自信を体現するために必要なのは健康な体。



食事、睡眠、運動の3要素をバランスよく取り入れるのは確かに大切なのですが、中高生の悩み(自信がもてない理由)として上位に入るのが容姿や体型でした。(参考サイト:SHIBUYA109 Lab.「中高生・大学生 600 人に聞いた「モヤモヤごとに関する調査」」






私も中学時代は太りたくないと思って食事制限をしていた割にはお菓子をたくさん食べていたので、ずっとニキビに悩まされていました。



健康な体づくりに加えて悩みも解消できるよう「1.食事」「2.睡眠」「3.運動」「4.スキンケア」の4つの観点からポイントをお伝えしていきます。



1.食事

食事は「いつ(時間)」「何を(質)」「どれぐらい(量)」食べるかを押さえておけばOKです。


中高生であれば体格や運動量にもよりますが、1日あたり2000kcal前後を、運動量の豊富な人は3000kcal前後を目安に摂取するのがよいでしょう。




このとき、「主食・主菜・副菜」を「3:1:2」になるように食べると、成長期に必要な栄養素がしっかりと摂取できて、体重コントロールもしやすくなります。





特に炭水化物(主食)を減らし過ぎると、強烈に甘いものが欲しくなったり、エネルギー不足で集中力が持続しなかったり、女性では月経不順の原因になったりするのでおすすめしません。


食べる時間はできるだけ毎日同じにすることが理想です。
そうすることで体内時計が整い、排便の習慣もつきやすくなります。



2.睡眠

成長期の小中高生に必要な睡眠時間は9~11時間と言われていますが、塾や部活、習い事に忙しく、そんなに確保できない…という方もいると思います。


そのような場合は質を上げることを考えてみましょう。




質を上げるには「満腹まで食べない」「夕食以降はカフェインを含むドリンクを飲まない」「ぬるめのお湯につかる」「ストレッチをする」「寝る直前までスマホを見ない」などの方法があります。



3.運動

運動は体力がついたり体型維持だけでなく「勉強の効率を上げる」「こころが安定する」ことにも深くかかわっています。


とはいえ、運動する時間を確保するのが難しいこともあるので、通学中にもできるおすすめの「ながら運動」を紹介します。



いい姿勢でちょっとだけ早歩き

いい姿勢を保つだけで腹筋や背筋が自然と鍛えられます


いい姿勢を保ち「歩く」という動作が加わることで、おしり、太もも、ふくらはぎも引き締まってきます。
猫背や反り腰は腰痛の原因になるのと、足が太くなる原因になるので注意。





足音を立てずに階段のぼり

足音を立てずに階段をのぼろうとすると、おしりや太ももを意識するだけでなく、体幹(腹筋)を安定させておかなければならないことに気づくと思います。


ポイントは「膝が外や内に入らないようにまっすぐにあげる」こと。


かかとから着地すると太ももの裏側とおしりを使い、つま先で着地すると太ももの前側とふくらはぎを使うくので、気分によって使い分けてみてください。



4.スキンケア

最近はコロナ禍ということもあり、常にマスクをしていることから肌荒れのリスクも高くなっています。
きれいな肌になるには、外側からのケアだけでなく食べ物や睡眠、運動などの生活習慣も整える必要があります。


食事

きれいな肌をつくるには、量・質ともにバランスのとれた食事をとることが大前提です。


その上で毎食欠かさずとりたい栄養素は「たんぱく質」と「ビタミンC」


たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品などの主菜に、ビタミンCは野菜や果物、じゃがいもに多く含まれています。
特に色の濃い野菜は肌を強くするのに役立つビタミンAが含まれているので、積極的にとりたいですね。



ケア

ニキビなどの肌荒れはこすったり潰したりとできるだけ触らないことが鉄則
ニキビ治療ガイドライン2017によると、1日に2回の洗顔が推奨されています。


洗顔後は乾燥による皮脂の過剰な分泌を招かないように、化粧水と乳液などで保湿をしましょう。
「ニキビ肌用」と表記されているものもあるので、ドラッグストアや病院で相談して購入するといいでしょう






そして紫外線も肌にとっては刺激になるので、日焼け止めも忘れずに




時間の取りやすい春休みこそいろいろと試すチャンスです。
少しでも自信をつけて新年度に好スタートを切れるよう、この時期を有効に活用しましょう。




今回が最後となるこちらのコラム。約1年間ありがとうございました。


受験生の皆さん、保護者の皆さんの力となれていたら幸いです。
お互いに新たなステージで輝けていることを願っております。




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text by後藤優子/Yuko Goto
プロフィール:スポーツ栄養士×アスレティックトレーナー。ジュニアからトップアスリートの食事サポート、調理イベント、子どもの食育セミナーなどを行う。東京を中心に活動中。アイドルとカレーが好き。



後藤優子さんのコラム⇒「食×スポーツ(人生を豊かに。マルゴトキカク。」