心身の疲れを癒す、入浴タイムのすすめ

 
 
 

 
 
 

第8回:心身の疲れを癒す、入浴タイムのすすめ

 
 
緊張感のある2月を乗り越え、
 
心身ともに疲れもピークに達していることと思います。
 
 
 
そんなときにおすすめなのが、ゆっくりお風呂に入ることです。
 
 
 
そんなの知ってる、いつもやってる、とスルーするなかれ。
 
 
 
お湯の温度やつかる時間、
 
入るタイミングなどを意識すると疲れをとる効果もぐんと違ってきます。
 
 
 
基本の入浴の仕方は40℃のお湯に10分ほど、
 
肩くらいまでつかること。
 

 
 
 

 
 
 

そうすることで、全身が温まり、血流もよくなり、
 
凝り固まった筋肉がほぐれてきます。
 
 
 
さらに副交感神経が刺激され、免疫力も上がり、
 
風邪をひきにくい体に整えてくれる効果もあるといわれています。
 
 
 
10分は長いな、と思う方もいるかもしれませんが、
 
あまり短いと、体温が体の先端まで上がりきらないので、
 
手足先まで温かくなったなと感じるくらいまでは温まりましょう。
 
 
 
また、お湯の中では浮力が働き、体重が10分の1くらいになるといわれています。
 
 
 
陸上で運動をするより、筋肉や関節に負荷がかかりにくいので、
 
からだが温まったところで、
 
湯船のへりにつかまりながら軽くストレッチなどをしてみるのもおすすめです。
 
 
 
湯の温度は好みにもよりますが、
 
低すぎるとスムーズに体温を上げることができず、
 
高すぎると体にとってストレスにもなるため、
 
最適なのは40℃とされています。
 

 
 
 

 
 
 

ただ、湯の温度は、場合によって高め(熱め)、低め(ぬるめ)がよいときも。
 
 
 
例えば、イライラしたり、不安を感じたりするときは
 
休息やリラックスを促す副交感神経を刺激する、
 
ぬるめ(38〜40℃くらい)の湯温が適しています。
 

 
 
 

 
 
 

逆に、なんとなくやる気が出ない、シャキッとしたいというときは
 
活動や緊張を促す交換神経を刺激する、
 
熱め(42℃くらい)のお湯に短時間(5分ほど)入って、
 
体を目覚めさせるのも有効です。
 

 
 
 

 
 
 

入浴は、体をほぐすだけではなく、心のケアにも効果がありますので、
 
湯温についても、気分に応じてうまく使い分けをしてみましょう。
 

 
 
 

 
 
 

さらに入浴のタイミングを意識すると、よい睡眠にもつながります。
 
 
 
入浴で上がった体温がほどよく下がったころに布団に入ると
 
スムーズに眠りに入ることができ、深い睡眠を得られるといわれています。
 
 
 
季節にもよりますが、就寝の時間のおよそ1時間半から2時間前に
 
お風呂をすませておくのがちょうどいいタイミングです。
 
 
 
1日の勉強スケジュールに、
 
就寝時間や入浴時間も組み込んで集中とリラックスのバランスが整った生活を送りましょう。
 
 
 

入浴時の基本的な注意点としては、急に熱い湯に入らないこと。

 
 
 
人の平熱は36〜37度が平均ですから、
 
いきなり40度のお湯に入ると体に負担がかかります。
 
 
 
まずは手足に掛け湯をしてから湯に入りましょう。
 
 
 
入浴は自宅にいながら簡単にできる疲労回復の方法で、
 
その時間は気持ちを切り替えるスイッチにも使えます。
 
 
 
受験を終えてほっとしているあなたも、あと一息頑張るエネルギーが欲しい方も、
 
心身を柔らかくほぐすひとときとして、ぜひ入浴時間を活用してみてください。
 
 
 

※参考文献
『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』 早坂信哉著(山と溪谷社)
『お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案 最高の入浴法』早坂信哉著(大和書房)

プロフィール

文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。図書館司書の資格を持つ。