公立中高一貫校 合格へのアプローチ ~ 公立中高一貫校 受検 に必要なこと
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公立中高一貫校 合格へのアプローチ ~ 公立中高一貫校受検 に必要なこと |
公立中高一貫校が全国にでき始めてから10年以上が経ちました。だいぶ経ってはいるものの、未だによく聞かれる質問があります。それは「公立中高一貫校に合格させるためにはどんなことが必要ですか」というものです。
そこで、今年度のコラムは、お子さんの年齢や時期ごとに分けて「何をするべきか」について書いていきたいと思います。
現在、公立中高一貫校向けの教材や塾などがかなり増えました。中には公立中高一貫専門の塾というものもありますね。かく言う私の教室も公立中高一貫を専門としています。
教えている内容ですが、授業内容が特別なテクニックやマル秘情報などばかりかというと、実はそんなことはありません。とはいえ、各公立中高一貫校の説明会で言われている「教科書の内容をしっかり勉強してください」だけで合格できるわけではないのです。
たしかに学校で使う教科書の内容を完璧に理解していれば、ほぼ塾を必要とせずに最難関と言われる公立中高一貫校に合格した生徒もいることは間違いありません(少しは関わりましたが……)。
私立中学の問題のように理科や社会での膨大かつ細かい知識事項は出題されませんし、算数では「○○算」や「△△図」などのテクニックを勉強、反復練習をする必要はありません。
しかし、合格に一番重要な「論理的な思考力」は教科書の勉強だけでは養われないのです。
そうすると、肝心の「論理的な思考力」を身につけるためにはどのようなことが必要でしょうか?
そもそも子どもは論理的ではありません。
親に対して論理的に意見を主張する小学1年生のわが子……なんて想像すると恐ろしさすら感じてしまいます。「論理的な思考」ができるようになるにはいろんなことをいっぱい「考える」経験が必要です。
ここで重要なのが勉強としてではなく「考える」ことを身につけることなのです。
では「考える」ことを身につけるのに必要なのはどのようなことでしょうか。
しかも「勉強としてではなく」というと尚更困ってしまいますよね。実は、これこそ塾に通うよりも前にご家庭でもできることですし、むしろご家庭だからこそできることなのです。
それは「時間をかけて考えること」と「対話」です。
とかく、塾に通い始めるとカリキュラムによって求められるペースや他のお子さんとの競い合いでの気持ちから、少しでも速く効率的に学ぶことが必要とされますし、親御さんも本人も求めてしまいます。(本人がのんびりだったり一生懸命でなはなかったりだと、その分親御さんの焦りは一層加速してしまいますね!)
ですから、本格的に受検勉強が始まる前にこそ「考える」ことを身につけること、習慣化すること。
そのためには「考える」ことを楽しまなくてはいけません。
そして「考える」はお子さんひとりでできることではありません。
次回は塾に通いだす「小学4年生までに保護者ができること・するべきこと」を紹介しようと思います。
text by吉原 功/Kou Yoshihara
プロフィール:中学、高校入試の受験指導に長く携わり、これまでに数多くの受験生を志望校へと導いている。公立中高一貫校入試の指導経験も豊富である。現在は都内において、自身の教室での指導を行っている。