お世話になった人にお礼の一言を
第10回:お世話になった人にお礼の一言を
3月も下旬になり、
それぞれに4月からの新生活に向けて準備が進んでいるころでしょうか。
子供の立場からすると、
受験に向けて頑張ってきた日々から解放されてホッとしている時期とは思います。
しかし、ここまで頑張ってこられたのも、周りの人の支えがあったこそ。
お世話になった方々について一度振り返ってみましょう。
健康管理のサポート、塾や志望校への願書の申し込み、
受験生活のさまざまなことに、常に寄り添って伴走してくれた親。
会うたびに気遣う言葉をかけてくれた祖父母。
遠方からお守りを送ってくれた親戚。
進路に悩んだ時に相談に乗ってくれた学校や塾の先生など。
受験期間中は、勉強で気が回らなかったかもしれませんが、
落ち着いた今、周りに意識を向けると、
いろいろな形で応援してくれた人の存在に気づくはずです。
皆、実は当人の知らないところで気を揉んでくれていたかもしれません。
新学期が始まると、また忙しくなってしまうと思うので、
春休みのうちにお礼と報告をすませましょう。
直接感謝の気持ちを伝えるのは、気恥ずかしさもあるかもしれません。
そんなときは、受験の報告をかねて、お礼の手紙を書くのがおすすめです。
ただ、「拝啓」「敬具」など、手紙のマナーの定型にこだわりすぎると、
書くこと自体がおっくうになってしまうこともありますよね。
ビジネスレターではありませんから、
書き出しなどはあまり堅苦しく考えず素直に感謝の気持ちを記せばOK。
具体的なエピソードを思い出して、ありがとうの言葉に添えれば気持ちは伝わります。
例えば離れて住んでいる親類などには、
「受験中は応援ありがとうございました。おかげで合格できました」
「お守りありがとう。カバンに入れて試験にいつも持っていってたよ!」
など、ひと言でもかまいません。
お菓子などにメッセージカードを添えて報告&お礼をするのもおすすめです。
その報告に、ああ、頑張ったんだな、よかったなと相手も喜んでくれるはずです。
これから先もお付き合いが続く間柄ならなおさら、節目の報告をしておきましょう。
一緒に住んでいる親にも、
面と向かってお礼をいうのは恥ずかしさもあると思うので手紙がおすすめ。
これも長い文章である必要はありません。
自分の言葉で“ありがとう”の気持ちを伝えてみましょう。
親の方からも、子供の頑張りをあらためてほめるのに手紙はおすすめです。
面と向かっていうのは照れ臭い言葉も手紙にすれば、
普段は口にしてこなかった思いも伝わります。
一緒に暮らしていると親子で手紙のやり取りをする機会などなかなかありませんから、
受験が終わった大きな区切りのタイミングで
子どもへの気持ちをしたためてみてはいかがでしょうか。
電話やメール、SNSなどでの報告ももちろんよいですが、
手書きのメッセージは形に残るのがうれしいところ。
今どきだからこそ、アナログな手紙は希少感があって特別なものになります。
人生の節目で読み返すことのできる、大切宝物になるかもしれませんよ。
プロフィール
文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。図書館司書の資格を持つ。