風邪をひきにくい体作りは食事から。
第4回:風邪をひきにくい体作りは食事から
受験本番が近づく年末年始。
前回お話しした、睡眠時間帯を整えることと同じくらい大切なのが、日々の食事です。
塾通いや深夜までの勉強で、食事の時間が不規則になったり、食べるものが偏ったりしがちですが、
インフルエンザ、コロナ、マイコプラズマ肺炎などが流行する時期。
体力が落ちてしまうと、このような感染症にもかかりやすくなりますから、
体調管理にはできるだけ気をつけていきたいものです。
そこで、風邪をひきにくい体に整えてくれるおすすめの食材について、
料理と栄養について30年にわたって取材をしている編集者に話を聞いてきました。
「これを食べるといいですよという食材をズバリ言えるといいのですが…」
と話しながらも
免疫力をアップするといわれる 抗酸化作用のあるβカロチンやビタミンC、
体を作る元となり、体温を上げるといわれるたんぱく質。
これらの栄養素を含む食材をバランスよく取るのが、この時期大切だと教えてくれました。
抗酸化作用のある野菜の代表的なものは、
にんじん、ピーマン、小松菜、かぼちゃなど。
なかでもかぼちゃはビタミンA・C・Eのすべてを含み
“ビタミンエース”と表現されるほどの優良食材。
今、ちょうどおいしいシーズンですから、
煮物やグラタン、サラダなどにしてみるのもおすすめです。
蒸したり、レンジでチンするだけでもおいしくいただけるので
日々の献立に気軽に取り入れてみましょう。
一方、エネルギーのもとにもなる栄養素、たんぱく質。
不足すると、筋肉が落ち、疲れやすくなったり、免疫力が落ちたりします。
豚肉、豆腐、卵、乳製品、納豆などが代表的で身近な食材ですが、
摂りだめするのが難しい栄養素でもあるので、
一回の食事にまとめて食べるのではなく、
食事ごとに分散させながら 少しずつ取り入れていくといいでしょう。
なかでも手軽にタンパク質を摂取するのにおすすめなのが豆腐のみそ汁。
温かいものをゆっくりと食べれば消化もよく、
体の中からあたたまり、代謝もアップします。
卵を落としたり、抗酸化作用の強い小松菜なども合わせて入れれば
さらに栄養価の高い汁物にすることができます。
“栄養バランス”を意識して…と考えると、
日々の料理が難しく、面倒な気分になってきますが、
みそ汁の具にすればいいと思えば、少しハードルも下がりそうです。
みそは発酵食品で、腸内環境を整え、免疫力をアップする調味料のひとつ。
まずはお子さんの好きな具を入れた、具だくさんの温かいみそ汁で、
受験生の健康を胃袋からサポートしてみませんか。
前述の編集者はこうもおっしゃっていました。
「免疫力をアップさせ、体調を整える栄養素は、子どもだけでなく、大人の健康づくりにもおすすめです。旬の野菜を選んで日々の献立に取り入れるのもよいけれど、スーパーなどで一年中手に入りやすい食材を使えば、栄養バランスのよい食事を習慣化しやすくなります。続けることが大切ですから、あまり気負わず、まずはみそ汁などで十分。一緒に食べて、親子ともに健康な状態で受験期を迎えてくださいね」
プロフィール
文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。