コロナによる受験事情の変化②~公立中高一貫校受検編 ~
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コロナによる受験事情の変化② ~ 公立中高一貫校受検編 ~ |
今回は「公立中高一貫校受検」についてです。
私の教室では、千代田区立、東大附属、都立中高一貫を目指す小学生および実際に通っている中高一貫生が中心です。ですからちょっと特殊な面もあるかもしれませんが、ナマの声も聞けますのでご参考まで。
今年度の「公立中高一貫校受検」
まずは今年度の公立中高一貫校受検全般について分析しましょう。
今年度の東京都立中高一貫校の倍率は前年度と比較して「ほぼ同じ」または「微下がり」でした。
高校募集を停止した「都立武蔵高校附属中学校」と「都立富士高校附属中学校」に関しては大きく減りましたが、これは募集人数が増えた影響でしょう。
募集人数の変化がなかった他の高校附属を見てみると、「都立白鷗高校附属中学校」は下がりましたが、「都立大泉高校附属中学校」と「都立両国高校附属中学校」に関してはほぼ変わっていないことからもわかります。
前回書いたように新型コロナウィルスによる緊急事態宣言下での休校下での各都立学校の対応(オンライン化、サポート)が私立学校の方が手厚かったことによって私立志向が高まったとはいえ、やはり相変わらず公立人気は高かったといえます。
保護者の方は私立に転向するか、公立受検を軸にするか・・・
とお悩みの方が多くいらっしゃいました(私立受験については前回のコラムをご参考ください)。
その中でもやはり公立と考えたご家庭も少なくありません。各ご家庭で受験/受検に対する考え方もそれぞれですが、保護者の方と話す中で聞いた意見を1つご紹介しましょう。
それは「大学入学共通テストの形式をみて考えた」というものです。
大学入学共通テストの試行調査問題をみると、「複数の資料が与えられ、それらを対比して思考する問題」、「生活の中で起こりうることと関連させた問題」、「会話形式」、「記述式」というように、まさに公立中高一貫校の適性検査!と思うような問題が出されました。
結果的に形式変更などもありましたが、公立中高一貫校受検に向けた勉強が、「思考力」や「活用力」を身につけるこれからの学びにつながるし、大学受験にも繋がるという観点で公立志望を決められました。
大学入試の状況の変化に新型コロナ・・・いろいろと変化する中で、とかく「どこに合格させるか」という視点になりがちな受験/受検を、お子さんに「どのような経験をするか」という点で選ばれていました。
もちろん、「私立に通わせるのは経済的にちょっと・・・」というご家庭もありました。そのような意味では、現在のように入塾の早期化・高額化というのは残念なところもありますね。(私も受験産業の一員ではありますが・・・)
新型コロナウィルスの影響
上でも書いたように、新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言による休校中の対応が学校選びに関係したということを書きました。
そこで、実際に公立中高一貫に通っている生徒が休校下で感じていることを少し紹介したいと思います。
それは、「とにかく課題が多い!」ということです。
これは都立高校(進学重点校)でも同様の話を聞きましたが、オンライン授業などが行われない一方、授業時間は増やすことができないため、学校の授業で習わない範囲も自分で勉強して課題を提出しなければならないとのこと・・・。
実は、上のお子さんが都立の中高一貫に通っている保護者で、そんな状況をみて、下の小学生のお子さんは私立にしようか公立にしようかの悩みが深くなった方もいらっしゃいました。
新型コロナウィルスの感染が日本で見られ始めて1年以上が経ちました。私の教室でも休業やオンライン化などの対応を手探りしながら行いました。
とはいえ、教育に関するテクノロジーはこの1年で飛躍的に変化したと感じています。
さまざまな雑誌などで大学進学実績などの特集が組まれるこの時期、合格者数データなども参考にしながらも、入学してからのいろんな情報も気にしながら学校選びをされることをお勧めします。
2021年入学の生徒はまだ通い始めたばかりですので、今後も通っている生徒たちのナマの声を拾っていこうと思います。
text by吉原 功/Kou Yoshihara
プロフィール:中学、高校入試の受験指導に長く携わり、これまでに数多くの受験生を志望校へと導いている。公立中高一貫校入試の指導経験も豊富である。現在は都内において、自身の教室での指導を行っている。